Maabara ya

自転車の進化

150年前頃に足で蹴ってその惰性で走る自転車と言うより、自転車と言うものが生まれた。
ケッターBIKEと言う方がその名前にふさわしいかも。

しかし、チェンと言う物が出来、それが自転車に応用されると、一気に自転車の進化が加速する。
すなわち、チェンが自転車の進化の第一歩と言う事になる。

パリ市街は木ブロック石畳、走る木製の車輪はさぞ不快であったであろう。

ソリッドゴムでは、さすがにつらく、婦女子が自転車に乗る事は、理由はばかげた話だがタブーであったと聞く。


タイヤに空気が入ると一気に乗り心地が改善された。
自転車の構造(フレーム)も力学的に最小限の材料で、形状も確立され、今の自転車の形はおおまかには
完成されていた。日本に輸入された頃にはこれ以上の支える構造の進化は難しい程に洗練されていた。


自転車の魅力

自転車の魅力は、人を運ぶから物を運ぶ役目に加え、早く走るという趣向性に方向を変えて行く。

そこには競争と言う、人間の競い合う本能が、やがてメカニズム(デリレーラ・変速機・多段ギヤー)を生み出す。
真っ直ぐ力の伝達をする役目のチェンは、自転車の御蔭で始めは3段と言うねじれの限界を克服し、
やがて4段・5段横にねじれて速度を上げる。5段の時代は少し長く続いた。

その頃、芸術の趣が自転車に取り入れられる。アレックスサンジェールやルネルセの出現は、自転車を趣味とする年配風情にとって
高尚な趣味となる。むしろ軽くサイクリングをこなし、カフェ辺りで談義に花を咲かせるのは、文化の香りと優雅な生活を誇示するには
その表現と余裕の憧れを漂わせる。

モ-ターサイクルから自動車へ


自転車の関連の会社は、その後、モ-ターサイクルから自動車へとそのメーカー名を有名に残して現在に残る。
正に、自転車の技術は自動車や機械産業の原点である。

シマノが自転車の部品や釣具を造っているのは有名だが、スバルの足回りなどの耐久基本根幹の部品を供給している事は
知る人は一部であろう。


無関心の趣味から金が絡めば

第1次自転車ブームはツーリングから起きた。ツーリングのシェアが伸び悩み、ロードの人口が購買を安定させ、MTBが出現すると、一気に自転車開発を促進させた。

多くの企業家は、そこに乱入し要望する。基本部品メーカーは、その金に目がくらんだ要望を受け止めるべく、他社より多くのギヤー数を増やす
開発に血眼になるのである。


流行の基礎は共通の規格の結果生まれた

1970年代に入ると、各社バラバラのピッチであった部品も、お互いの部品を組み合わせる事が出来る標準と言うか、落ち着きどころに落ち着いた。
ユーザーにとっては選択の幅がその個性と認める性能と使い勝手に合わせて趣味と満足を得る事が出来た黄金期の突入した時代始まり期である。

では、2013年現在までそのままだったのか?と問われると、1回だけ進化したと言う事が出来る。それが支持されたのかは今の段階では答えが出ていない。

では、カーボンフレームが出てきたではないか?
これは材料(マテリアル)が代わっただけで、フレームの軽量化であっても構造体は代わらない。

自転車の進化は、出来るだけ簡素化して部品点数を減らす事そのものであり、MTBのショックもしかり、心地よさを追求する事は進化であっても
それを得る為に付け加えることは進化では無いだろう。これを認めるとしたら、付け加えてそれ以上に軽くしなければならない。

さすが奇想天外
アメリカからの発想!。 ソフトライドは自転車デザインの進化を起こした

そういう意味で、先に1回だけ進化したと言ったのは、アメリカ ワシントン州 シアトル(本社はベリンハム)にあるオルソップ(ソフトライド)システムである。

快適なショックを得る為の構造体の少し重い部品を追加する、その代わり、フレームの1部(シートチューブ)を排除し、サドルを支えるシートピラー(ポスト)を排除した。
これは、一つの快適さを得る為に1つを追加(ビーム)する代わり、2つ従来の部品構造体を排除したという事で進化といえるだろう。


ソフトライド(オルソップ)の出現

バルセロナオリンピック開催の2年前それは生まれた。とは言っても未だ開発段階で、それ自体はグラスファイバーであった。
従来のトップチューブに取り付ける方法とクロモリのそれ専用フレーム(ポールのディザイン)それと完全にエアロ化したカーボンボディーのビームだけのジョン一押しのフレームが開発された。
自転車そのものの製造よりアメリカは消費国であって製造国で無い問題を少々抱えていたので、ヨーロッパ程凝り固まっては居ない良い点と、これまでの規格にうとい認識が、生み出させた結果であろう。MTBにも言える事だが、ヨーロッパでは規格外パイプ構成フレームを使用する発想が生まれなかったにも共通する。
初めて手にした開発当事では、一般に売るにはもう少し配慮が必要であったが、走る事そのものには問題は無いほどであった。

ポールはベリンハムから南、シアトルに向かってフリーウェーを2〜3個の出口走った山の中に工房がある。
とっても作業が美しく、また、ペイントまで最後の行程まで仕上げるハンドメードビルダーであり、その発想は力強く繊細であった。
ソフトライドクロモリフレームの原型や完成はこのフレームが基である。


ソフトライドの原理とは

カーボンのしなりを利用したと言ってしまっては、この原理は正しくは無い。
カーボンがしなったのでは極限で折れる。

構造は、3つのビームから出来ているサンドイッチと考えてください。それと体重別に、500#510#520#の3種類
硬さの違うビームがあり、それを無視して乗り心地を語ることは出来ない。

真ん中に安全の為にアルミの骨組みが入っていて、上下別々のカーボンビームが存在1本の棒(ビーム)となる。

真ん中のアルミで前の支点と上下アジャストの金具(アルミブロック)は固定されている。
上側のカーボンビームは、前の支点ネジに固定されているのではなく、軽くナットで上に跳ね上がらないように乗っているだけと考えると理解できる早道である。
上下曲がった曲線部分がぶつかり合う事で揺れしなりのエネルギーを抑へる考え方です。
つまり、完全に固定して強く止めると、それはただの1本の棒になる。そうすると、前の細いボルトに体重の全てをダイレクトに長い柄でボルトをこねる事になり、
ボルトの破損だけでなく、何の意味も無い危険極まりないフレーム構造体となってします。

ソフトライドのビームは上下のカーボン断層がしなる時にカーブ部分でぶつかり合う構造となっているその秘密があります。
したがって伸びる上側のプレートはスライドするようにナットを固定してはいけない訳です。


進化は引き算と足し算


自転車の重量は、乗り手の体重との比率で、乗り手が何倍も重いわけです。したがって早く走る自転車は、質量が横に飛んでいると言う事になります。
重い質量の下で軽い自転車がサドルの支点1点で支えられていると言う構図は、まさしく前後サスペンションを1本のビームつまり1個の部品を追加する事で完成させている事になります。


スポーツ車を乗る心得


純粋なスポーツは、その選手又は機材は選手のものであり、純粋なその人専用であるべきです。
ソフトライドのビームは体重別に3種類のビームがある事も、その意味合いがあり無視する事は出来ません。(後に4種類になる)

子供の自転車に大人が乗るとしたら、それは論外です。
しかし大人はそれをするわけです。
その様にされると、メーカーは大人でも大丈夫なように子供の自転車を作り販売するしか安心は出来ないわけです。
したがって、子供は過重強度の大人用重い自転車を乗る羽目になります。これでは子供に快適さを感じさせる事は出来ません。

同じように、自分の自転車を人に貸す輩が多くいます。
この場合、貸す時には壊されたとして仕方が無いと思って貸す人はどれ程いるでしょうか。
私はそう思って貸します。


人のものを簡単にまたがる方へ、借りる方は出来ますか?

よく言う言葉ですが、貴方はすし屋に行って職人から包丁を借りて魚をさばけますか?
その前に、職人だったら貸さないだろう。

だから貸さない時もあります。多くは壊されたといって関係が悪くなる事態を見受けます。
私は、人の自転車には乗りません。乗りたい自転車があった場合は、その人の前で出来るだけ短時間またがる事でその性能を知る努力をします。


1度の失敗は永遠の失敗

ソフトライドはその人の体重以上の人に貸すべきでは有りません。

それだけではなく、走行中にその性能を発揮するのが目的に作られている純粋な自転車で有ります。
一見サスペンションと勘違いして、止まってい自転車にまたがり、両足をペダルから離してジャンピングする人が居ますが、
ライドとは乗っている姿が基本。ペダルから足を離す事は自転車を乗っているという姿ではないのです。
スポーツをサポートしていることを考えて下さい。
最低限ペダルには足が着いていることを踏まえ、設計されている事を考えるべきです。

人間の体は一度傷がついても蘇り再生しますが、自転車や自動車機械物は、自動再生する事は無いと言うことをお考え下さい。

伸びたネジや焼けたオーバーヒートのシリンダーは、以後良くなることは無いのです。

間違った使い方をしない事も技量の内である事は誰もが解かっているのですが、無知はそれをやらかしてしまいます。